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車検でお店に払う分の中身。レーン費用と整備費用

執筆:株式会社たま(関東運輸局長認証工場)(神奈川県二宮町・関東運輸局長認証工場)

法定費用(国に払う分)は車台番号で確定できます。残りの「お店に払う分」は、整備工場の中では2つに分かれています。レーン費用(検査に通すための作業=いわゆる基本料)と、整備費用(直す・交換する作業)です。この2つが何の代金で、なぜお店で違うのかを、工場の側から書きます。

1. レーン費用(基本料・代行費)は「通すための作業」の工賃

「検査ラインを通す」と一言で言いますが、車1台を合格させるまでに工場の中では次の作業が動いています。

作業中身誰がやるか
受け入れ・確認車検証・自賠責・納税の確認、走行距離、前回の整備記録、リコールの有無フロント
24か月定期点検法律で決まった点検項目(乗用車は56項目)を、リフトに上げて分解を伴わない範囲で全部見る。ブレーキの残量、ブーツの破れ、ベルト、油脂の漏れ、排気系、下回り整備士
保安基準の確認・調整ヘッドライトの光軸、サイドスリップ(タイヤの向き)、ブレーキの効き、排ガス濃度、灯火類。ずれていればテスターで合わせる整備士+テスター
検査指定工場なら自社のラインで検査員が検査し「保安基準適合証」を出す。認証工場(当社もこれ)なら運輸支局まで車を持ち込み、国の検査ラインに並ぶ検査員/持込担当
書類継続検査申請書、重量税の納付、自賠責の更新、車検証の受け取り。電子申請(OSS)のお店は手続きが減るフロント・事務
点検整備記録簿点検の結果を記録簿に残して渡す。次回の車検やメーカー保証で使う整備士

基本料は、この一連の作業にかかる整備士の時間と、テスターなどの設備の維持費を回収するものです。お店によって「基本料」「点検料」「検査料」「代行料」に分けて書くか、1本にまとめるかが違うだけで、中身はこの表です。

なぜお店で1〜6万円台も違うのか

比べるときは、名前でなく「お店に払う分」の合計で。見積の仕分けツールに合計と法定費用を入れると出ます。

2. 整備費用は「部品代+工賃」

点検で見つかった不具合を直す代金です。1項目ごとに次の式で決まります。

整備費用 = 部品代 + 工賃(時間単価 × 標準作業時間)

だから、同じ「ブレーキパッド交換」でも、部品の種類と時間単価で1.5倍くらい違うことは普通にあります。高い安いではなく、「どの部品で、何時間で、単価いくらか」を聞くと比較できます。

「必須」と「推奨」を分けてもらう

整備には2種類あります。

見積に整備が乗っていたら「必須と推奨に分けてください」と言えば、まともな工場なら即座に分けます。当社の見積も最初からこの2段で出しています。

3. 整備工場の本音

工場側から言うと、レーン費用は「通すための作業代」なので、車の状態が良くても悪くてもほぼ同じ手間がかかります。差が出るのは整備費用で、ここは車の状態次第です。見積が高いと感じたときは、レーン費用を値切るより、整備の項目を必須と推奨に分けて、推奨の中で今回やるものを自分で選ぶほうが、金額も納得感も動きます。

逆に、整備をすべて断って「通すだけ」にすると、次の車検までに壊れて出先で止まる可能性が上がります。推奨整備は工場の売上のためだけに書いているわけではなく、「次の2年、この車を止めずに走らせるには」という判断で書いています。判断材料として「やらないとどうなるか」を聞いて、決めてください。

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